理念

 人口減少社会に突入し、グローバル化の荒波に揉まれながら新たな価値の創造が求められている我が国において、将来を担う人材育成に寄与する教育手法の確立は喫緊の課題です。特に、人類共通の課題解決に向けて、文化も社会背景も言語も異なる多くの人々と手を携え、互いを尊重しながらも自らの考えを粘り強く訴えていく論理的コミュニケーション能力は、これから益々必要とされていくと言えるでしょう。中央教育審議会も「課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習の充実」を提唱しており、自ら発見した課題に対し、論理的コミュニケーション能力を通じて他者と力を合わせて解決を目指す能力を伸ばす教育の重要性が一層高まってくることは疑う余地のないところです。

 こうした時代の要請から、現在多くの学校で新たな教育手法の確立に向けた様々な取り組みが進められていますが、学校の枠を超えて取り組みについて共有し、互いに深め合うような機会はまだ十分とは言えません。さらに課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学習においては、試験のような個人の習熟度を測るものとは異なり、自らの学びの成果が多くの人々の共感を得て、社会貢献に繋がっていくものであるという確かな手応えを感じ取ることこそが何より肝要であると言えるでしょう。

 私たちは、15年以上にわたって中高生に対し与えられたテーマに関して機械的に賛成・反対に分かれ、限られた時間のスピーチによって説得力を争う競技であるディベートなど、論理的コミュニケーション能力の醸成に必要な指導を幅広く続けてきた知見を有しています。また、任意団体として平成28年から29年にかけて、小学生の持つ豊かな発想力や表現力を発揮する場としての「全国小学生グループプレゼンテーション大会」と、ディベートの持つ高い教育効果を体験する場としての「選抜高等学校ディベート大会」をそれぞれプレ大会として開催しました。各大会において、参加した小学生や高校生の伸び伸びとした発表や意欲的な姿勢、さらには一日の学びで広がっていく視野や気づきの多さに主催者としても深く感激し、このような学校の枠を超えた取り組みの可能性に胸を躍らせた次第です。

 私たちは、以上のような知見や経験を生かし、論理的コミュニケーション能力の重要性を社会全体に広めるべく、「全国小学生グループプレゼンテーション大会」や「選抜高等学校ディベート大会」のような、論理的コミュニケーション能力を育む、課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学習の機会の場を提供すると共に、論理構成力、コミュニケーション力、判断力、洞察力、資料解析力など、論理的コミュニケーション能力を身につけていく上で有用な教材や指導法の開発に励むことで、より広く教育界に貢献したいと考えています。

 上記目的を達成すべく、組織の安定的な基盤を確立し、公に対して情報公開を行うことにより社会的な信用を獲得することで、論理的コミュニケーション能力の社会的な意義を広めていく先導役としての役割を果たしていく所存です。

平成29年6月11日 設立代表者 神尾雄一郎